インバウンドフレンドリー奈良を目指そう! 第4回:インバウンド客は食事場所をどう決めるの?

インバウンド客は食事場所をどう決めるの?

第4回:インバウンド客は食事場所をどう決めるの?

皆さん、こんにちは!
長い長ーい連休も終わり、お仕事に戻られてようやく体のリズムも取り戻されておられるのではないでしょうか?私は原稿書きや資料作成に追われるがまま、気が付いたら連休が終わっていた状態でした!(T_T)
さて、この連休のインバウンド動向については、かなりの入込数を目視でも感じられたのではないでしょうか? 4月、5月の宿泊実績がまた公表されましたら確認してみたいと思います。
閑話休題。
さて、今回は、インバウンド客の食事に対する嗜好と、食事場所の決定方法について、確認してみましょう。
(第3回のコラム未読の方は以下のリンクから)

インバウンド客の日本食に対する嗜好

再び、観光庁のデータを確認し、主要国別での訪日時にインバウンド客が最も満足した飲食についてみてみると、肉・寿司・ラーメンの人気がとてつもなく凄いことがわかります。(図6) 平成25年に和食がユネスコ文化遺産に登録されあたかも懐石や薄味の伝統的レシピやメニューが多くの外国人から理解を得られているかのように思えますが果たしてそうでしょうか?

過日、ある和食店経営者の方とお話しした際、「懐石の素晴らしい盛付けや薄味(出汁、旨味)の良さをもっとインバウンドの方々に理解してもらって喜んでもらえるようなプロモーションができないものか?」との相談を受けましたが、この表からも判るようにインバウンドの人々にとっての“和食の概念”はラーメンなどのB級グルメも含めた一般的メニューであって、“懐石”というジャンルがクローズアップされているわけではないことに注意する必要があります。[*1] 例えば奈良市では商店街で案外うどん店が人気ですが、この表からはあまり人気があるようには見えませんね。また、“そば”は中華圏では、「豚の飼料」扱いなので、あまり食べるのは気が進まないようです。

【図6 主要国別 訪日時の満足した飲食種類選択率(出典:観光庁訪日外国人消費動向調査2018)】

【図6 主要国別 訪日時の満足した飲食種類選択率(出典:観光庁訪日外国人消費動向調査2018)】

お国が違うと想定外の好き嫌いも

さて、飲食店でも、細かいレベルでの食材選定や見せ方、店の環境などについて、国により大きな好き嫌いの差がでるようです。

まずアジア人の細かい好き嫌いを見てみましょう。
図7では韓国・中国・台湾に共通点が多い好き嫌い項目がよくわかります。[*2]
冷えた弁当を食べたがらないこと、前述のとおりそばを食べたがらないこと。量を少なく感じること。汁物・鍋物が好きであること、などです。お店のメニュー開発に工夫が必要なことがお判りでしょう。また、これらの条件を満たしていることを各国語でメニューに記述しておくことが認知してもらいやすくなるポイントだと思います。ご存知の方は多いかもしれませんが、中国の方は、食中食後白湯のみを飲まれるかたも多く、去り際に白湯を水筒に入れてもらえると大変喜ばれます

図7 韓・中・台日本食関連好き嫌い(出典:訪日ラボ「飲食店のための国籍別インバウンド対策」を弊協会でまとめたもの)

図7 韓・中・台日本食関連好き嫌い(出典:訪日ラボ「飲食店のための国籍別インバウンド対策」を弊協会でまとめたもの)

では、欧米ではどうでしょうか?

食べ方・素材の説明が欲しい、姿が残った魚がNG、活き造りNG、臓物類NG、甘味デザート必須といったような共通点が多いですね。(図8) 結構見た目の影響も大きいようですから、メニューを再検討し、掲載する写真などもNGの素材を採用しないように留意しないといけませんね。鉄板焼きなどは人気でも、活エビを鉄板で踊り焼きするような光景はインバウンド向けにはNGだと考えておいたほうがよいでしょう

図8 欧米 日本食関連好き嫌い(出典:訪日ラボ「飲食店のための国籍別インバウンド対策」を弊協会でまとめたもの)

図8 欧米 日本食関連好き嫌い(出典:訪日ラボ「飲食店のための国籍別インバウンド対策」を弊協会でまとめたもの)

インバウンド客はどのタイミングで何を見て店を決める?

では、彼等は観光地での食事処をどのようにして決めるのでしょうか?

観光庁訪日外国人消費動向調査2018では、日本滞在中に調べる旅行情報について、世界平均では3割強の方々が飲食店情報を滞在中によく調べているとのことです。これは一位の「交通手段を調べる」の次に多い割合で、「宿泊施設」、「観光施設」、「Wifi情報」を調べるのと同等レベルです

また、インバウンド旅行者が最も多く飲食店調べに利用するトリップアドバイザーにおいて、人気店のレビュー投稿を当協会で調査したところ、「近鉄奈良駅(またはJR奈良駅)についてからこのトリップアドバイザーでランキングを見てこの店に決めた」と書かれているレビューがかなりの数ありました。また、実は、Google検索でGPS等と連動した便利な機能として、“XXXX restaurants near me”(近くのXXXX飲食店)と入力、検索して場所と評価を調べているインバウンド観光客はかなりの数になっているものと考えられます

また、実際にトリップアドバイザーでトップランクに入っており、かつインバウンドのレビュー投稿が多いお店が、自店ウェブサイトやFacebookページ、インスタグラムなどをどのように活用しているかを調べたところ、意外にもホームページ、Facebook、インスタグラムにそれほど多くの労力を割いていないことが判っています。つまり、彼等はトリップアドバイザー等での情報充実と評価獲得、そしてそこでの広告等に多く力を割いているだけでも人気を獲得できているということです。[*3]

さて、以上を参考に、飲食店の皆さんにとって、どのようにインバウンドフレンドリー対応していくべきかをまとめてみましょう。

まずは英語&ジャンル情報をきちんと掲載することが大事

訪日観光客は、目的地に着いてからトリップアドバイザーやグーグルで飲食店を探す人が多いこと、かつ彼らは自分の興味あるジャンルでお店を絞り込んでから表示される順位を見ているという実態がありますので、まずは、検索から漏れないようにすることが非常に大事であることがお判りいただけるかと思います。

紙面の都合上、全てをお話することはできませんが、自店の英文名称を統一し、すべて同じ表記でトリップアドバイザーやグーグルマップに表示されるように自ら設定すること、そして、ここが大事ですが、検索される際に、前述した、インバウンドが好きなジャンルに属しているように設定すること(例えば、日本食店で寿司、海鮮を扱っているなら、sushiジャンルとseafoodにチェックをいれて登録、かつヘルシーフード Healthy foodにもチェックをいれるなど)が非常に重要です。(図9参照)
該当するジャンルできっちりお店情報を整備しておきましょう。(当協会の一般会員になっていただくお店や法人の方々には、何を以てもまず最初にこの情報整備からしていただくご理解をいただき、ご支援させていただいております。)

【図9 トリップアドバイザーでの飲食店登録時のジャンル設定画面】

【図9 トリップアドバイザーでの飲食店登録時のジャンル設定画面】

[*1] 2017年11月にリクルート社で実施された調査「訪日外国人 観光体験需要調査」では、その時の訪日時に食したもので懐石や精進料理が上位に来るのは米国人のみでした。一方中国のインターネット旅行最大手シートリップ社の2018年9月発表の「日本観光グルメ白書」では中国人の訪日時食事が高級志向へシフトしているとの情報もあります。が、まだ多数派になっているわけではないでしょう。
日本経済新聞
[*2] 出典:訪日ラボ「飲食店のための国籍別インバウンド対策」
例:中国人 訪日ラボ
[*3] 中華圏の方々の場合は、大衆点評(大众点评)という、日本でいえば食べログのようなサイトを国内外で飲食店の調べものに利用しています。参考までに奈良で検索した場合のページURLを共有します。
大众点评首页

次回予告

さて、第4回のコラムはいかがだったでしょうか?目からうろこでしたか?お役に立てれば幸いです。
次回ですが、グーグルマップでのお店情報を地域のみんなで盛り上げるグーグルローカルガイド(グーグルのお店評価投稿者でランク上位を目指すこと)のメリットについてお話しますね!乞うご期待!

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